ドイツに多いファストフードを楽しもう

ドイツの食べ物と言えば、真っ先に思い浮かぶのはソーセージとビールでしょう。しかし、ドイツの食文化はそれだけにとどまりません。特にファストフードは、「早い・安い・美味しい」の三拍子が揃ったものが多く、日常の食事に欠かせない存在です。今回は、ドイツのファストフードの魅力を、インビスやグリルランナー、食べ歩きのマナーに焦点を当ててご紹介します。
ソーセージはインビスで食べるもの
インビスとは?
「インビス(Imbiss)」とは、ドイツの駅や街中にある軽食スタンドのことです。日本の屋台に似ており、屋内の飲食スペースが少なく、屋外に置かれたテーブルで立ち食いをしたり、路上で食べ歩きをするのが一般的です。ドイツ人にとってインビスは、スーツを着たサラリーマンや買い物帰りの奥さんが気軽に立ち寄って、空腹を満たすためのスナック感覚の場所です。
インビスのメニューは店ごとに異なり、ドイツ料理だけでなく、トルコ系やアジア系など国際色豊かな料理も楽しめます。もちろん、ビールも提供されており、場所によってはジョッキビールが飲めることも。インビスは、ササッとお腹を満たしたいときにぴったりの場所なのです。
地方ごとに異なるソーセージ
ドイツといえばソーセージ。「ヴルスト(Wurst)」と呼ばれるこの食べ物は、インビスでパンに挟んで提供されることが多いです。地域や店によってソーセージの種類が異なるのも魅力の一つです。例えば、フランクフルトでは細長い「フランクフルター・ヴルスト」が一般的で、茹でて食べることが多いです。一方、ニュルンベルクではカリッと焼かれた7cm程度の「ニュルンベルガー・ヴルスト」が名物です。
ドイツ国内を周遊する際には、各地でその地方の名物ソーセージを試してみるのもおすすめ。サイズや味、調理法が異なるソーセージを食べ比べることで、ドイツの食文化を深く理解することができます。
歩く屋台のグリルランナー
グリルランナーとは?
「グリルランナー(Grill Runner)」は、歩く屋台のソーセージ屋さんです。ベルリンのアレクサンダー広場などで見かけることが多く、その名の通り、屋台を体に装備して歩きながらソーセージを販売しています。調理器具を体に巻きつけ、頭上には傘を固定しているため、雨の日でも営業可能な万能装備です。
グリルランナーのソーセージ
グリルランナーで提供されるソーセージは、ブラートヴルスト(Bratwurst)が一般的です。固めのパンに長細いソーセージを挟み、ケチャップとマスタードをかけたシンプルなホットドッグですが、ドイツらしい無骨な味わいが楽しめます。価格も手頃で、1.35ユーロ(約175円)程度で購入できます。
ドイツの食べ歩きマナー
立ち食いと食べ歩き
ドイツでは、インビスやグリルランナーから購入した食べ物を立ち食いしたり、食べ歩きすることが一般的です。特に忙しい日常の中で、短時間で食事を済ませることができるため、多くのドイツ人が利用しています。食べ物を片手に持ちながら歩く姿は、ドイツの日常風景として定着しています。
マナーについて
ドイツでの食べ歩きには、いくつかのマナーがあります。まず、ゴミは必ず指定された場所に捨てることが大切です。多くのインビスや屋外の飲食スペースにはゴミ箱が設置されているので、食べ終わった後のゴミを持ち歩くことは避けましょう。
地方によって異なる食文化
ドイツの食文化は地方によって大きく異なります。例えば、南部のバイエルン州では、白ソーセージ(Weißwurst)が有名で、甘いマスタードとプレッツェルを添えて食べるのが一般的です。一方、北部のハンブルクでは、フリカデル(Frikadelle)という挽き肉料理が人気です。地方ごとの食文化を楽しむことで、ドイツの多様な食の魅力を再確認することができます。
ドイツのファストフードは、インビスやグリルランナーといった屋台文化が根付いており、ソーセージを中心に多彩なメニューが楽しめます。地方ごとに異なるソーセージや、ベルリン発祥のカリーヴルスト、ドネルケバブなど、ドイツならではのファストフードを堪能することで、より深くドイツの食文化を知ることができるでしょう。食べ歩きのマナーを守りながら、ドイツの美味しいファストフードを楽しんでみてください。